KC看護アカデミアブログ
こんにちは!
塾長の陀安です。
前回は国語の勉強の仕方についてお伝えしました。
やや抽象的でしたので、もっと具体的に、国語についてお話しようと思います。
国語の問題文の種類は、「評論・随筆」と「小説(物語文)」に大きく分かれます。
今日は「評論・随筆」の具体的な読み方についてです。問題に取り組む際に、問題文をどのように読めばよいのかをお話します。
まず評論と随筆の違いについてです。
「評論(論理文)」とは、筆者が自分の考えを論理的に主張している文章のことです。やや難解で、かたい言葉で書いてある文章をイメージしてください。
「随筆(随想、エッセイ)」とは、筆者が自分の感想や印象を、評論よりも比較的自由に述べている文章のことを指します。表現はやわらかめです。
文章をただ目で追うのではなく、次のような作業をしながら読みます。
①形式段落に番号をつけ、文章構造に注意を向ける。
たいていの文章は段落(一段下げて書いてある文章のまとまり)に分けて書かれています。これを形式段落といいます。
形式段落に番号をつけ、文章構造や段落相互の関係性に注意を向けられるように準備しましょう。
②接続語に▢で印をつける。
「しかし」「つまり」等、前の内容と後の内容をつなぐ働きをする言葉を接続語といいます。接続語は文章の道筋を示す「道しるべ」です。
接続語を見落とさないために、▢をつける習慣にしましょう。
接続語に注意して読めば、筆者の思考の道筋を知ることができます。特に段落冒頭の接続語に注意します。
③重要だと思う語句・部分に印をつける。
文章には内容的に見て強弱の違いがあります。つまり重要な部分と補足的な部分があります。
重要だと思われる語句や、筆者の考えがまとめて書かれていそうな部分に線を引いたり、印をつけたりしながら読みましょう。
本当に重要かどうか、正しく線を引けているかどうかは、気にしないでください。
重要な部分とそうでない部分を識別して読む習慣を身につけるための訓練です。
④指示語に注意して読む。
「これ」「それ」「この」「その」「このような」「そのような」といった語句を指示語といいます。一度出てきた内容を指すために用いられます。
一度出てきた内容であるため、筆者は指示語で代用して書いているのですが、読み手は油断すると指示内容を見落とす場合があります。
指示語の内容があいまいなまま読んでいくと、文章内容の理解に支障をきたします。
指示語が出てきたら、どういう内容を指すかを考えてみましょう。
⑤意味段落(目に見えない段落)に分けてみる。
段落には形式段落と意味段落があります。
形式段落は筆者自身が作った段落(目に見える段落)ですが、意味段落とは読み手が自分なりに考えてみる内容上のまとまり(目に見えない段落)のことです。
たとえば、5つの形式段落に分けて書いてある文章があるとします。読んでみると、第1段落が序論で、第2段落が主張と理由、第3段落が具体例、第4段落が他の具体例、第5段落が結論になっていることがわかったとします。
その場合、意味段落は4つになります。全体の流れは、序論→主張と理由→具体例1と2→結論、と理解できるからです。
意味段落は読み手側が考えてみる文章構造のことです。これは読み手が主観的に読み分ける段落ですから、実際に目に見えるわけではありません。
このように、内容を整理して理解するために、読み手が形式段落にとらわれずに段落を作り直してみる作業のことを、「意味段落に分ける」といいます。
これは読解力を向上させる訓練になります。意味段落に分ける練習を積み重ねれば、長い文章であっても、文章の全体像を理解できるようになります。
国語の勉強で「評論・随筆」を読むときには、以上のような作業をしてみてください。手を動かすことで理解が深まります。
読解力の向上に役立つ「濃い勉強」になりますよ。
次回は「小説(物語文)」の具体的な読み方についてお伝えします。
今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。