KC看護アカデミアブログ
こんにちは!
塾長の陀安です。
今回も小論文のお話です。
小論文はどのように採点されると思いますか?
採点者は小論文のどこを見ていると思いますか?
英数国の学力試験には必ず採点基準があります。
記号問題であれば◯か×かになりますから、非常にわかりやすいですね。あとは配点の問題になります。
記述問題にも採点基準があります。記述問題では模範解答どおりの答案を書く人はまずいないので、部分点を合算して点数を出します。合算は加点と減点を総合して行います。たとえば、ここまでできているから10点加点、でもここが間違っているから4点減点、トータルで6点というように計算します。
では小論文ではどうでしょうか。
明確な採点基準は公表されていません。
そのため、この後は、私の経験と推論に基づいてお話します。
看護系の小論文で採点者が見ているのは次のような部分だと考えられます。
1文章表現(漢字表記、言葉同士の対応、読みやすさ等)
2思考の深さ
3医療・看護への意欲や関心
4倫理観やバランス感覚
1文章表現
文章表現が正確であることは小論文の基礎ですから、この部分が採点基準に入っていることは間違いありません。漢字が間違っていたり、表現が間違っていたりすると、減点されます。
しかし、それらにどれだけ重点を置いているかははっきりしません。というのも、作文の試験であれば文章表現の正誤自体が採点基準になりますが、小論文は作文そのものではないからです。「主張を述べる」のが小論文なので、文章表現という形式よりも、書かれてある内容のほうに重点を置いた採点をするのでないかと推測できます。表現上の間違いは減点対象ではあるものの、それほど大きく減点されることはないと考えられます。
ただし、文章表現に重点を置く学校もないわけではありません。准看学校等がそうです。
2思考の深さ
思考の深さとは、根拠の説得性、説明する筋道の明確さのことです。
前のブログで「小論文とは根拠のある意見を述べること」だと言いましたが、だからといって、何でもいいから根拠としてあげればよいというものではありません。
たとえば「電車の優先座席は不要である」という意見を述べるとしましょう。
その根拠として2つ考えてみます。
①なぜなら人間はみな平等であるべきだからだ。高齢者や障害者も例外ではない。
②なぜなら、座席を必要としている人がいるなら、優先席に限らず席を譲るべきだからだ。座席の一部を優先席にしてしまうと、その意識が薄くなってしまう。
前者と後者では思考のプロセスがまったく異なります。どちらも「なぜなら〜」と書く限り、根拠を述べていることになりますが、思考の深さという点では明らかな違いがあります。
①はきわめて短絡的な理由です。②は普段から身の回りの出来事に目を向けていることが感じ取れる指摘になっています。
後者のように、採点者を「なるほど!」と納得させる内容で書けるかが、採点基準の一つです。
3医療・看護への意欲や関心
大学の看護学部や看護専門学校を受験するのは、当たり前のことですが、看護師になりたい人だけです。であれば、学校サイドは、すべての受験生がすでに看護への意欲や関心を持っているはずだと考えます。意欲や関心があれば、看護問題や医療問題について自分の意見を述べることができるはずです。学校はそのように考えて医療・看護に関するテーマを出題します。
したがって出題されたテーマの知識がなかったり、とんちんかんな内容で書いたりしたら、意欲や関心のない人だと判断されかねません。
長くなってしまいそうなので、「4倫理観やバランス感覚」については次回のブログに回します。
今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。