KC看護アカデミアブログ

小論文のワンポイント講座 勉強の仕方

こんにちは!

塾長の陀安です。

 

前回までは小論文の基本事項について紹介しました。

 

今回は小論文の勉強の仕方についてです。

 

 

なぜ小論文は勉強しにくいのか

 

小論文ほど勉強の仕方に戸惑う科目はないのではないでしょうか。

 

理由は2つ考えられます。

 

①一つは参考書があまり役に立たないことです。

 

 本屋に行けば、「書き方の解説本」や「頻出テーマの解説本」といった小論文の参考書を見つけることができます。しかし、ほとんど役に立たないと考えたほうがいいでしょう。

 

 「書き方の解説本」には、「こういう書き方でなければならない」と断言しているものが少なくありません。しかし実際には、断言できる根拠はあまりありません。

 

 たとえば起承転結の構成が絶対的なルールであるかのように書いてあるものがあります。起承転結はもともと漢詩の伝統形式のことです。それを小論文の形式に利用せよと述べていることになります。しかし、起承転結が漢詩の美意識や中国の文学論を反映した形式だとすれば、それを小論文のルールとする正当性に疑念を感じざるを得ません。

 

 また、はじめに問題提起をすることをルールとしている参考書がありますが、それを万能とするのはよくありません。「問題提起→考察→結論」という流れが効果を発揮するのは文章量の多い論文(たとえば4000字以上)の場合です。小論文は600字、800字の文章量が大半で、多くても1200字程度なので、そのような少量の文章の場合は、問題提起を省略して「結論→理由」の流れで書いたほうが、回りくどくならずスッキリした内容になることがあります。

 

 「こうでなければならない」と断定的な内容になっているのが、参考書類の特徴です。断定すると公式のようになるので、「わかりやすい」という印象を一時的には与えてくれます。でも実際は、固定観念に縛られてしまい、柔軟性に欠ける不自然な書き方になってしまうことが多いのです。

 

 論述例を読んで「こんなふうに書けるのか」とイメージをつかめるという意味では有用ですが、参考書が推奨する書き方を金科玉条のように受け取ってしまうと有害ですらあるので注意が必要です。

 

 また「頻出テーマの解説本」は、おおまかな知識を身につけるという意味では役立ちますが、実際の入試に臨むうえでは不十分です。なぜなら、看護系の小論文のテーマは本当にさまざまで、解説本を一冊読んだからといって対応できるものではないからです。特に、出版後何年も経っている解説本の場合、最新の時事ニュースには対応できていません。たとえば新型コロナ関連の問題は看護系の小論文では要注意ですが、いまだにフォローできていない解説本はたくさんあります。

 

 

②2つ目の理由は、小論文には「解答」がないことです。

 

 小論文の参考書には解答例がついていますが、それはあくまでも「解答の一例」であって、「唯一の解答」ではありません。したがって、参考書の論述例をいくら読んでも、自分の書いた答案がよいのか、よいのであればどのくらいよいのかがわかりません。

 

 小論文は国語の記述問題や英作文の問題に似ているといえるでしょう。練習してみても、どこがよくて、どこが間違っているかがわからず、自分一人では採点しにくいのです。これが小論文の勉強の仕方に戸惑う2つ目の理由です。

 


 

小論文の勉強の仕方=信頼できる人に読んでもらい、客観的に評価してもらう

 

 上のような理由で、小論文を一人で勉強するのはかなり難しいだろうなと思います。やはり答案を信頼できる人に読んでもらい、論述構成や文章表現、論述内容について客観的に評価してもらうことをおすすめします。

 

 日記のように自分だけが読む文章であれば客観的に見る必要はありませんが、小論文は採点者が読むことを前提にした文章なので、客観視することが必要になります。しかし、自分で書いた文章の良し悪しを客観視するのは、誰にとっても簡単ではありません。これはプロの作家も例外ではありません。プロの作家であっても、最終的には編集者に読んでももらい、アドバイスをもらうのが普通です。

 

 また、論述練習に加えて重要になるのが、予想テーマの勉強です。いくら文章力を高めたとしても、内容が伴わなければ高評価は望めません。医療・看護に関する勉強をして知識を増やしましょう。時事問題も出ますので、報道されるニュースにも目を向けておきます。気になるニュースがあれば、プリントアウトして資料としてまとめておきましょう。

 

 

小論文は自学自習がたいへん難しい科目です。

 

KC看護アカデミアには、看護系の小論文に精通した経験豊富な講師が在籍しています。ぜひ利用してみてください。

 

 

今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。