KC看護アカデミアブログ

国語のワンポイント講座 接続語(1)

こんにちは!

塾長の陀安です。

 

 今回は国語の文章の読み方について、接続語にポイントを絞ってお話します。

 

 看護受験では、大学か専門学校かを問わず、学科試験の中心になるのは国語です。受験の必須科目になっていることが多いですし、科目選択できる場合であっても、多くの人は、まずは国語を選び、そのあと英語や数学を追加するでしょう。

 

 普段使っているのと同じ日本語で書いてあることから、「なんとかなるだろう」という印象を持っている人も多いと思います。

 

受験の国語では、より厳密な論理の把握が求められる

 しかし油断は禁物です。なぜなら、受験科目としての国語のほうが、日常の日本語の場合と比べて、より厳密に、論理を把握することが求められるからです。

 

 論理とは事柄同士のつながり方のことです。たとえばAという事柄とBという事柄がどのようにつながっているか、その関わり方のことです。

 

 普段私たちが日本語で読んだり書いたり、そして話したりする場合も、そこには何らかの論理が働いています。しかしそれは厳密な論理ではないことが少なくありません。
 言い換えると、話者あるいは書き手が想定している論理と、それを表現する言葉とが対応していないことが多いのです。

 

「お昼ごはんはマクドのデリバリーにしよか」

「うん、ダブルチーズバーガーでいい?」

「いや逆に、ベーコンレタスバーガーがいいんちゃう?」

 

 一見すると普通の会話のようです。しかし論理という観点でみると、言葉の選択が不正確になっています。いったい何が「逆」なのでしょうか?

 

 「逆に」は、本来、前言とは反対の内容を示すときに使用される言葉です。ベーコンレタスバーガーはダブルチーズバーガーの反対ではないので、「逆に」という言葉は適切ではありません。ここでは「むしろ」という言葉を使うのが論理的な言葉遣いです。

 

接続語の機能=論理の予測=道しるべ

 「逆に」や「むしろ」といった言葉を「接続語」といいます。文字通り、何かと何かを接続するための言葉です。「だから」や「でも」も接続語です。

 

 話したり書いたりするとき、私たちは接続語を使って、相手に話の流れを事前に「予測」させます。「だから」と言えば因果関係を予測させることができますし、「でも」と言えば主張の転換を予測させることができます。

 

 このように接続語は論理の予測を可能にするので、普段の会話においても大変便利なものです。ただし普段の会話では言葉以外の情報量も多いので、接続語の正確さはあまり重視されません。むしろ、相手の表情や声のトーン、それまでのおおまかな話の流れ、話者の性格などの他の情報のほうが、おおいに意思の疎通を助けてくれるでしょう。

 

 一方、受験の国語の問題文は、ほとんどの場合、私たちにとって初めて目にする文章です。読解の手がかりは目の前の文章にしかありません。たまたま予備知識を持っている内容であれば別ですが、そうでなければ、文章を丁寧に読んで情報を集めていくしかありません。そのとき役に立つのが、接続語の機能、すなわち「論理の予測」なのです。

 

 言い換えると、接続語は文章の「道しるべ」のようなものです。内容が複雑で理解するのが難しいとき、接続語に注意すれば、おおまかな主張内容をつかむことができます。

 

 たとえば「しかし」や「けれども」といった接続語は「主張方向への転換」を表します。話の向きを変え、筆者が主張したい方向へ導く道しるべです。したがって、「しかし」が登場すれば、その先に筆者の主張が書いてあるのではないかと予測して読むことができます。

 

 「しかし」や「けれども」以外にも、道しるべとして役立つ接続語があります。

 次回はそれらについてご説明します。

 

 最後までお読みいただき、ありがとうございます。